名鉄百貨店の黄金の像
あまり眼を向ける人はないと思われるが、名鉄名古屋駅の入る名鉄百貨店の北角の壁面に金色に輝く像がある。

名鉄関係者に聞いたところ、マーキュリー像ということであるが、どう見てもこの像は背中に翼を持つ女性、つまり女神像に見える。「マーキュリー」は、ローマ神話の12神の一人「メルクリウス」の英語名で、ギリシャ神話では「ヘルメス」に対応するという。このヘルメスは神々の伝令使であり、旅人、商人などの守り神である。
羽根の付いた帽子をかぶり、足には羽根の付いたサンダルを履き、手には二匹の蛇が巻き付き、羽根の付いた「ケーリュケイオン」(ギリシャ語。ラテン語では「カドゥケウス」)という神々の伝令の証である杖を持つ青年神である。この杖は、商業系の大学(一橋大学)や高校の校章に多く使われている。
写真では分からないが、黄金像の右手には「ケーリュケイオン」ではなく、剣のようなものを持っている。こうしたことからこの像はマーキュリーではないと思えるのだが…。
ただ、女神像の足元には翼の付いた車輪がある。これは、羽根車(羽車ともいう)で、鉄道のシンボルとして、ヨーロッパの多くの鉄道がシンボル(社章)として使っている。日本ではかつて南海鉄道が社紋として使っていたのが有名である。

これから考えると、名鉄が鉄道のシンボルである羽根車を取り入れたのは当然であろう。そしてマーキュリーが旅人の守り神ということもあって、この黄金像はマーキュリーと呼ばれるようになった、と考えるのは無理であろうか。
※ 必要があって過去の写真を探していら、南海電車の難波駅の入り口に掲げられている羽根車が出て来 たので、掲げておく。


