京都市電の保存車を訪ねる(1)
午前10時半、京都駅頭には小雨が降っていた。地下鉄で五条烏丸まで乗車する。ここからすぐ先のビルの一階にあるN電28号を見るためである。前に見てからもう10年近く経っているはずだが、さすがにビルの中ということもあり、保存状態はよい。

正午、駅前集合ということで、早めの昼食をとり、駅前に戻る。駅前では「電気鉄道発祥の地」の碑をこれまた久しぶりに確認する。しかし、この碑に注目して立ち止まる歩行者は皆無である。

駅前の京都タワービルで、目を引いたものがある。「祇園・清水へは京阪電車JR東福寺駅と直結」という看板である。確かに奈良線で一つ戻る形にはなるが、バス乗り場の長蛇の列を見れば、「急がば回れ」で、速く着けそうだ。しかし、どれほどの人がこれに気づくかと思ったが、このあと奈良線を利用したとき、東福寺からの乗客が多かったことからも、結構な利用者がいることが分かった。

集合時間に7人ほどが集まり、バスで3月に梅小路公園にオープンしたばかりの「京都市電ひろば」に向かう。1978年9月に廃止されてからほとんど公開されなかった保存車7両が、この市電ひろばに保存されることになった。ただ、野外展示といっても良い状態であり、早いうちに見たいこともあってこの例会に参加した。
入り口を入ったすぐのところに2001号がある。案内所ということであるが、昼の休憩時間(観光施設で休憩時間というのもおかしなものであるが…)らしく戸閉で、内部は見られない。もっと人だかりがしているかと思ったが、拍子抜けするぐらい「まったり」と撮ることができた。

次に向かったのは、広軌1形29号の展示室で、蓄電池で動くことになったN電27号の車庫を兼ねている。29号は見るのは初めてで、今回の楽しみの一つであった。運転台や客室のランプシェードがオシャレである。また、天野工場のメーカーズプレートが残っているのはうれしい。

27号が戻ってきたが、充電に入るというので、市電ひろばに向かう。505はカフェに、703は鉄道グッズなどを売るショップに、890 と1605はそれぞれ休憩所となっている。カフェには入らなかったが、ショップではドロップと靴下(孫用)を購入する。ここの4両は、屋根はあるものの、吹き抜けであり、夜間も自由に出入りできるということで、いたずらなど今後の保存状況が心配である。もちろん、車内の主だった部品(ナンバープレートなど)は取り外されており、防犯カメラも設置されてはいるが…。

700形のイラストが描かれたドロップと703号

もう1両の保存車935は、水族館前あたりで案内所になっている。こちらは休憩時間が終わったのか、ドアが開いており、中にはいることができた。

そうこうしているうちに充電が終わったのであろう、27号が動き出したので、しだれ桜を入れて撮る。しかし、架線がなく、ポールも下げたままでの走行は、間が抜けており、絵にならない。それでも終点で「ポール廻し」をするのは、サービスのつもりであろうが、意味がないパフォーマンスではなかろうか。

いずれ、京都鉄道博物館が出来た折には、山陰線に「鉄道博物館前」ができるかもしれないが、梅小路公園から京都駅前まで、路面電車の路線を敷いたらどうであろう。

