福井鉄道の低床車“FUKURAM”を訪ねる
早速、福井鉄道の駅前停留場のある西口に廻ると、かつての駅前商店街は解体されており、入口のアーケードに付けられた看板が取り外されるところであった。ちょうど、名鉄岐阜市内線から移籍された低床車の803が来た。800形は2両(2・3)がいるが、収容力からあまり走らないというが、この日は急行運用で走っていた。
F1000形の到着は12時51分なので、それまでに昼食をとり、市役所前の交差点で迎え撃つことにする。ようやく来た電車は、事前に入手した時刻より遅れているようだ。市役所での折り返しを撮り、急いで駅前に戻る。発車時刻も迫っており、なんとか乗ることが出来た。
車内は、春休み中ということもあって子鉄を連れたママ鉄の姿も目に付き、車外からも注目度が高く、携帯やスマホを向ける姿も多い。車幅が2.6mということで、二人掛けのシートが並び、豊橋のほっトラムよりは余裕がある。まだ営業運転を開始して日が浅いこともあり、運転席周りには数人の社員の姿もあった。
田原町での折り返し時間に一枚撮って、再び乗車し、市役所前で降りる。足羽(あすわ)川沿いに桜が見えたので、橋の上FUKURAMが渡る姿を押さえることにし、先行する。ちょっとタイミングがずれてしまった。
次のFUKURAMは、駅前3時54分発の急行なので、それまで時間をつぶす。市役所前の福井鉄道の案内所で記念一日乗車券を購入。残念ながら金曜日(GWなど特定の指定日には使用できる)なので使えない。
途中、佐佳枝廼社(さかえのやしろ)のしだれ桜が見事だった。この社、徳川家康公を祀っているということで、今度来るときはご朱印帳を持って来なくてはいけない。
裁判所前で撮るも、車に被られ撃沈。結局、田原町まで歩いてしまう。この駅は、歌人の俵万智さんが通った高校の最寄り駅ということで、この駅名をペンネームにしたのではないかという説というか噂話がでたが、俵万智は本名だという。
それはさておき、福井駅まではえちぜん鉄道で戻る。もと愛環の1両の電車は、立席もいる結構な乗車率である。愛想のいいアテンダントが車内を巡回し、車内放送をする。
駅前の喫茶店で休憩。3時39分に到着するので、余裕を持って店を出て待ち構えるが、なかなか来ない。やはり、軌道線(市内線)内では信号待ちなどで遅れるのであろう。
急行越前武生行きは、時間通り出発する。車内には、やはり関係者が乗っている。本来はワンマン運転であるが、キップを売る職員も同乗していた。早速、武生までの乗車券と市内線の乗車券を買う。車内補充券はなんとえちぜん鉄道の駅名も入っているもので、市内線は180円が160円に訂正されたものであった。帰宅後調べたら、昨年10月1日から改正されたという。将来の福井鉄道とえちぜん鉄道の相互乗り入れを意識したものであろうか。
軌道線から専用軌道の鉄道線に入る。スピードが上がるとレールの継ぎ目のところで、ゴツンゴツンと突きあげられる感じがする。横揺れは思ったより少ない。ちょうど居た保線の職員に聞いてみたら、やはり「縦揺れがこんなにあるとは」と言っていた。最高速度は65㎞を出していた。
神明で対向電車と交換した際、なんと廃車されたはずの300形が福井駅前に向かって走って行った。と思ったのは間違いで、300形と同じ塗装を施した610形(元名古屋地下鉄)であった。越前武生には数分遅れで着いた。200形が2編成、留置されていた。車内補充券に無効(乗車記念とある)印をおしてもらい、JR武生駅から福井駅に戻る。
JRは、武生~福井間のシャトル便を走らせているようで、運賃も福鉄が390円、JRが320円と安く、直行客はJRを選択するであろう。これも福鉄にとって手ごわい競争相手である。
福井18時発の高速バスは途中鯖江で2人を乗せ、計18人を乗せて名古屋に向かった。名古屋⇔福井、往復5,000円は、日帰りの鉄分補給に充分であった。