一か月前の11月22日、東京新聞は、鉄道史ファンにとって、大きなニュースを報じた。我が国初の鉄道である新橋-横浜間の路線の内、品川付近の海中に敷かれた「高輪築堤」の遺構が、悪名高いJR高輪ゲートウェイ駅西側の再開発用地で見つかったという。
この最古の鉄道遺産、廃線跡というべき遺構について、JR東日本は今月2日になって正式に明らかにし、「一部の現地保存や公開展示を検討する」との方針を示した。
そして、来年1月10日~12日の三日間、現地見学会を行うこととし、その参加者を公募(応募〆切は23日)している。
鉄道史ファンとしては、すぐにでも駆け付けて見学したいが、このコロナ禍でもあり、体調面を考えると、残念ながらあきらめざるを得ない。
JR東日本は、移設しての保存も考えているようだが、やはり現地保存するのが望ましい。ぜひ、現地保存の方向で検討して欲しいものだ。そのときは、ぜひ見学に行きたい。
二代歌川国輝の「東京高輪鉄道蒸気車全栄図」(1872年)で、右下に海面が見える。
機関車やそれに続く荷物車や客車も思いのほか写実的に書かれている。
小林清親の「高輪半町朧月景」(1879年)である。こちらは「光線画」といわれるように、光と影が織りなす芸術的な絵だが、なぜか機関車はアメリカ型が描かれている。